民主党

駅頭レポート

2007年6月号 病院の耐震化

子供達を守る病院、一刻も早く耐震化すべし

中越地震・福岡県西方沖地震・能登半島地震・中越沖地震と大きな地震が続いております。
皆様は、阪神・淡路大震災の犠牲となった方々の9割が、「住宅や建造物の倒壊」に巻き込まれて亡くなっていることをご存知でしょうか。地震に弱い建物は、いざというときに私たちの命を奪う原因となってしまうのです。それが不特定多数の人が行き来する建物、特に子供達やお年寄りが通い、時に入院する病院であったら、どれほどの被害が発生することでしょうか。

国の中央防災会議の地震防災戦略(平成17年3月)は、地震による死者数・被害額を、今後10年間で半減させるという目標を定めています。この目標を達成するために、住宅の耐震化(現在の耐震化率約75%)を、10 年後までに9割とすることが、最も重要な課題とされ、緊急かつ最優先に取り組むべきものとして定めています。建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、第5 条第1 項に国土交通大臣が定める基本方針に基づき、都道府県耐震改修促進計画を定めることが規定されています。埼玉県でも、今年3月に『埼玉県建築物耐震改修促進計画』を策定し、そのなかで、県内の公共建築物の耐震性を検査した結果を公表しました。

その中で注目しなければならないのは、県立小児医療センターの病棟が、ランクU、耐震性がやや劣る建築物と診断されていることです。同センターは、さいたま市岩槻区にあるベッド数300の小児専門病院で、生まれたばかりの赤ちゃん(新生児・未熟児)に対する高度医療をはじめ、一般医療機関では対応できない疾患にかかった子供達の診療を行っております。さらに、時間外救急診療体制の強化を行い、24時間365日、救急患者(内科系)の受け入れをおこなっている、いわば小児救急医療の最後の砦(3次医療)であります。
0.6以上で耐震性が確保されるとするIs値ですが、県立小児医療センターの病棟は『0.36』であり、『倒壊または崩壊する危険性が高い』とされる最低のランクV0.3未満にかなり近い、ランクUの中でも危険な建築物であると位置づけられています。
入院し、けんめいに闘病生活を続けている幼い子供達が、地震による病棟の崩壊の犠牲になるような事はあってはなりません。そして災害時に多くの傷ついた子供達を救うのが小児医療センターに期待される役目です。私は、県立小児医療センターの耐震化を、県に要求します。



広域災害に負けない医療体制を確立せよ

阪神・淡路大震災(1995年)での医療機関の被害は、全壊(全焼)336棟で、被災率11.3%、半壊(半焼)は409棟、被災率13.7%に達しました。がれきの下から近所の人たちが必死で助け出し、担架で抱えて運び込んだ近所の病院のほとんどが倒壊していて閉鎖していたり、建物は無事でも中の医療機器が破壊され水が使えなかったりと、十分な治療を受けられませんでした。刻一刻と容態が悪くなっていく負傷者を抱えて、家族は涙を流しながら心当たりの病院を、あるいは音だけしか聞こえない救急車を探して駆け回りました。
また、新潟県中越地震(2004年)では、ある病院の建物と機材が地震の振動で壊滅的打撃を受け、入院患者を他の病院へ搬送しました。小千谷市や十日町には、地震後に通院していた病院が再開しないため、透析や治療をうけるため遠い病院へ転院を余儀なくされた方々もいました。
地震のような広域災害が発生すると、揺れが大きかった地域には緊急の治療を要する負傷者が大勢発生します。被災地内の医療機関は自らも被災者となりますが、被災現場において最も早く負傷者に医療救護を実施できるのであり、その役割は大変重要です。そして、こうした地域の医療機関を支援するために指定されているのが、災害拠点病院です。
災害拠点病院は、本県では11か所が指定されており、臨時へリポートや集中治療室、自家発電装置、人工透析装置など専用医療機材を兼ね備えた、災害時に県民の命を守る重要な拠点です。これら災害拠点病院のうち、建物自身の耐震性が確保されていないところがあれば、いざ地震発生時に機能不全に陥ってしまう恐れがあります。
そこで、災害拠点病院の耐震化の現状を調査したところ、11のうち9病院で既に耐震化が実施されており、耐震化率は81.8%でした。全国水準に比べかなり高いとはいえ、万全ではありません。また、耐震化しても災害による水・電気の途絶には対応できません。場合によっては、栃木県・群馬県・茨城県等の病院へヘリコプター等で搬送することが必要となります。そのための情報を交換するための基盤となるシステム、そして橋渡しとなる保健所の役割も平常時から検討していかなくてはなりません。
私は、災害拠点病院の耐震化率を100%にするよう県に要請するとともに、災害時に迅速かつ的確に救援・救助を行なうために、広域災害・救急医療情報システムの整備、災害医療に係る保健所機能の強化、搬送機関との連携のあり方について問題提起を行っていきます。


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